はじめに

 ここでは、遠くに住んでいる人のパソコンの操作やトラブルを、こちらから画面を見ながら助けてあげられる環境をつくる方法を書いています。ご両親、友人、兄弟、知人などパソコンでこまっていることを助けるための環境をつくるために、現時点で考えられる、無料で、もっとも簡単な方法を書いています。
 リモート操作関係のソフトは有名なものがいくつかあり、vectorなどのサイトから、無料でダウンロードできます。
realVNCやUltraVNCはその代表的なものです。

 しかし、これらのソフトを使おうとするとき、大きな壁があります。
それは、こういったソフトを使うためには、相手のパソコンのモデムやルーターの設定を変更し、あるポート(入り口)を解放するという操作をしなければならないわけからです。
 つい最近まで、無料のソフトでポートを開けないで使えるDesktopVPNというものがあったのですが、これが月約1000円といった有料のサービスに変わったため、無料でポートの解放なしでやることが難しくなってしまいました。
 もちろん、サポートして欲しい側の方が、ポートを開けるということをできるレベルの方であれば、この本を読む必要はありません。

 しかし、相手がパソコンに詳しくないとか、高齢者の場合、ポートをあける操作をこちらから指示するのも大変なことです。

 なぜなら、モデムのポートの開け方というのは、モデムやルーター、回線会社により、操作が異なりますし、ポートというような表現自体もまちまちです。また、ルーターやモデムへ入るためのアドレスやID、パスワードも、相手側にあるマニュアルに書いてあることなので、それを探し出さなくてはなりません。

 私の場合も、どうしても相手のトラブルがメールや電話のやりとりでは解決しないときに、遠隔地から相手のパソコンの画面を見て操作をお教えすることがあります。

 その時、相手の方がルータを開けるという操作をせず、現時点で考えられる最も簡単につなぐ方法をご紹介します。

★WindowsXP以上の場合

 それにはWindowsXP以上に装備されているリモートアシスタンスの機能を使うのがもっとも簡単な方法でしょう。
 一旦、相手の画面を遠隔で操作できる環境ができれば、こちらから、相手のモデムのポートを開けることも比較的簡単になるので、上記にあげた、広く普及しているソフトも使えるようになります。
 まずは、最初に、相手の画面を見たり、操作できる環境をつくることが重要です。
また、Windowsのリモートアシスタントは、相手にとっても、安全です。相手の承認がなければ、相手の画面を見たり、操作したりできませんので、勝手に操作されるという心配もなく、安全なソフトだと言えるでしょう。

 さて、それでは、相手がパソコンを購入したばかりで、なんのソフトも入れていないという状況を前提にお話しましょう。これから書くことをすでにやられているなら、そのステップは飛ばしてください。

STEP1:「こちら側の準備」
 これを読まれているかたは、サポートする側ですので、大まかな手順を記載します。

@自分用のmsnのアカウントの作成登録
 msnのログインIアカウントの作成登録を行い、msnメッセンジャーliveのインストールをして、メセンジャーの音声会話が使えるにしておきます。(すでにお持ちであれば、それをつかっても構いませんが、このサポートを区別したい方は別のIDとメールで作成した方がいいでしょう)
ここでは仮に、IDを support@live.jp パスワードは 任意 で作成したとします。

A相手用のMsnのアカウントの作成登録
 @と同様、別のアカウントでmsnのログインIアカウントの作成登録を行います。
(相手の方がすでにお持ちであれば、それをつかっても構いませんが、このサポートだけを別に区別したい方は別のIDで作成した方がいいでしょう)。
*尚、アカウント作成はオンラインでのサービスですので、作成し、使用できますが、メッセンジャーはインストールするソフトなので、ここでは準備できません。
ここでは仮に、IDを aaaaaa@live.jp パスワードは aaaaaaで作成したとします。(キーボードを打つのも難しい方の場合はできるだけ簡単なIDやパスワードがいいでしょう)

 これで準備ができました。

STEP2:「相手にメッセンジャーをインストールしてもらい。セッセージや音声会話ができる環境をつくってもらう」

 こういうインストール自体はそのダウンロードサイトのURLさえ教えてあげ、電話でサポートしながらであれば、初心者や高齢者の方でもできることがほとんどです。それよりも、メッセンジャーを使うためのID獲得やログインが意外に難しいのが実態です。そこで、まず、相手の方がいつも使っているメールアドレスに以下のようなメールを送り、相手の方からの電話を待ちます。

メール例:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
このメールを一通り読んだら、電話をかけてください。電話0XX−XXXX−1234

そちらのパソコンと電話のように会話できるソフトウェアを入れたいと思います。
 電話で話しながら操作してもらいますが、大体以下のような手順になります。

*言葉の説明:クリックとは、マウスの左側を一回押すことです。
@ここをクリックしてください。メッセンジャーをそちらのパソコンで使えるようにする操作が始まります。まず、最初に出てくる画面では、「ダウンロード」をクリックしてください。次の画面では「実行」をクリックしてください。次の画面では「実行する」をクリックしてください。

Aインストールが終了したら・略・・・という画面が現れますので、そこで
サインイン名=aaaaa@live.jp 
パスワード=aaaaaa
を入力してください。

 そうすれば、aaaaa@live.jpさんがサインインしたことがこちらでわかりますので、会話するための呼びかけをします。(ベルを鳴らします)。
 そちらでは、画面の下からメッセージが出ますので、そこで「承認」を選んでクリックしてください。会話ができるようになります。
メール例終わり:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 このように、こちら側で、IDなどをあらかじめとっておいてあげると、相手は、メッセンジャーのインストールとログインだけでつながるようになります。これくらいなら電話でアシストしてあげれば、初心者でもできりはずです。 

STEP3:「メッセンジャーを接続した状態で、ポート解放なしでリモートアシスタンスを利用する」

 さて、最大の難関を乗り越えたので、ここからは簡単です。

 メッセンジャーがつながっていますので、音声で次のようなリモートアシスタンスを立ち上げる支援をしてください。

指示内容例@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 
@画面左下の「スタート」をクリック > 左下にある「すべてのプログラム」をクリック > 「リモートアシスタンス」をクリック
 
Aヘリプとサポートセンターという画面が表示されるので、「友人を招待する」をクリック > Windows Messenger を 使用します というメッセージの下に、support@live.jp が 青色で表示されているので、その上で、クリック。つづけて、そのすぐ下にある 「この人を招待する」の上で、クリック > メッセージがでますがそのまましばらくお待ちください。
 
注意ししてもらうこと:ESCキーには触れないよう注意してください。接続が切れます。
 
指示例終わり:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 
 これで、とりあえず、直接、相手の画面を見える状態にまでなりました。画面操作に移行する時には、この状態から、相手に操作してよいか確認メッセージが送られ、相手の承認で操作できるようにもなります。このように、msnメッセンジャーは、必ず、相手の承認がないと操作はできませんので、サポートをうける方も安心して使えるツールではないでしょうか。

 基本的に、操作は簡単なので、一度使えばわかりますが、詳細な操作や設定についてはMSNのサイトや他の紹介サイトをご覧ください。






★WindowsXP以前の場合(winwos98やwindows2000など)

 こちらは、ぐっと難易度があがります。リモートアシスタンスがXP以前のものにはついていないからです。
 そこでどうするのかを簡単に言うと、まず、ポート設定なしでリモート操作ができる有料サービスのお試し期間(現在14日間)を利用し、そのお試し期間の間に、こちら側で、モデムやルータの解放の設定、ultraVNCやrealVNCのインストールと設定をしてしまうというものです。

 しかし、この作業は、成功率100%というわけにはいきません。
というのも、相手側のモデムやルーターの型名、契約回線会社を正確におしえてもらい、それをネットでさがし、こちらで、オンラインマニュアルをダウンロードして、モデムやルータへのアドレス、ID、パスワード、ポート設定の操作をさがしだせるかどうかにかかっています。もちろん、相手の方がそれらのマニュアルをもっていれば、該当箇所を探してもらうか、郵送で送ってもらうということで解決する場合もあります。

 これを読んでおられる方は、サポートする側の方ですから、VNCの設定などは詳しくは書きません。いろいろなサイトですでに詳しく紹介されていますので、それをご覧ください。

 ここでは、その前段階の、お試し期間がある有料ソフトで接続するまでの手順をご紹介します。 
注)一度、このDesktopVPNというソフトをインストールしてしまいますと、14日後には、再度インストールしても使えませんので、一度入れたら期間が切れる前に,,無料のVNCをつかえる設定までしてしまうことが必要になります。あるいは、長期でサポートする場合には、有料のDesktopVPNを使い続けてもよいでしょう。このソフトは非常に使いやすく、また、安全です。realVNCやUltraVNCですと、グローバルIPアドレスが時間で変動するたびに、その新しいグローバルIPアドレスをこちらに伝えてもらうなどの方法を用意する必要があるのですが、それをしなくてもよいからです。

STEP1:「相手側の準備の依頼メール発信」

 まずは、以下のようなことを電話やメールで伝えます。 電話代がもったいない場合は、先ほどの方法でメッセンジャーを使い、会話しながらやることも取り入れてもよいでしょう(XP以前の場合はメッセンジャーバージョン7になります)

メールの例:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 
@まずは、設置されているモデムとルーターがどこにあるか確認してください。どちらも、壁の電話口などから、パソコンとの間にある、線で結ばれいます。どちらも、いつもピカピカランプが点滅している縦横大きくても厚さ5p、高さ20p、奥行き20pこらいの箱です。
 モデムだけの場合もありますし、モデムとルータが二つつなげてある場合もあります。
Aそれらのモデムやルータを実際に裏返したりして、そのモデムやルーターの型名らしきものを紙にメモし、こちらに教えてください。
Bどこの会社の回線か分かれば教えてください(ヤフーBBとか、OCNとか、フレッツとか)
Cそちらに、モデムやルーターの操作マニュアルがあれば、より確実ですので、そのマニュアルの有無を教えてください。
 
メールの例終わり:@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

こちらでは、それらの情報をもとに、そのモデムの設定方法がネット上で閲覧できるかどうかを探してみます。あるいは、ネット上になければ、マニュアルを郵送してもらいましょう。
 いずれにしろ、きちんとポートの開け方を把握してから、次のステップに進みます。
一度インストールすると、二度とこの手段はつかえませんのんで!要注意です。


STEP2:「相手側のお試しソフトのインストール」

 お試しソフトのダウンロードURLをメールで送りインストールしてもらいます。

http://www.desktopvpn.net/download/

 これも詳しくは説明しませんが、インストールや設定はきわめて簡単ですので、相手側のインストールも電話やメッセンジャーで会話しながらであれば、インストールできます。インストールしたときに出てきたIDを教えてもらえば、それだけでつながります。

注)スタートアップに登録されますので、サポートが終わったら、デスクトップに移動しておいてください。自動起動しなくなりますので、より安全です。

 あとは、ultraVNCやrealVNCのためのポート解放作業です。この時にはすでに、モデムやルーターにアクセスするアドレス、ID、パスワードなどは準備されているので、それに従ってやることになります。

留意点:ultraVNCやrealVNCを安全に使用し続ける場合の留意点

@相手側(サーバー側)にはパスワードを設定し、かつ、自動起動しない設定にしておくこと。
A相手の承認を得ないと入れない設定にすること。
BグローバルIPアドレスが動的にかわる場合や固定ローカルIPアドレスにしていない(デフォルトはしていません)場合は、「グローバルIPアドレス」や「ローカルのIPアドレス」を知るサイトやソフトを用意し、それらのショートカットを相手のデスクトップにつくっておきます。接続する必要があるたびに、相手のIPアドレスを電話やメッセンジャーやメールで教えてもらう手順にしておくことをおすすめします。(もっと簡単な方法もありますが、セキュリティを考え、あくまでも相手の承諾で初めてつながることを、ここでは推奨しておきます)